不動産取得税は土地でいくら?計算方法と軽減措置を解説
土地の不動産取得税は、売買や贈与などで土地を取得した際に、都道府県から原則1回課される地方税です。
税額は購入価格ではなく固定資産課税台帳の登録価格を基に計算され、宅地等の課税標準を2分の1とする特例や、住宅用土地の減額措置を利用できる場合があります。
本記事では、固定資産税・登録免許税との違い、税率と計算方法、軽減措置の要件までを解説します。
複雑に感じやすい不動産取得税ですが、要点を押さえれば安心して手続きを進められますので、ぜひ参考にしてください。
土地の不動産取得税とは?基礎からわかりやすく解説
土地の不動産取得税は、売買や贈与などで土地の所有権を取得した方に、都道府県が原則1回課す地方税です。
固定資産税や登録免許税とは対象や納付時期が異なり、相続など非課税となる取得もあります。
ここでは、制度の基本と課税・非課税の違いを解説します。
土地取得時に1度だけ課される地方税
不動産取得税は、売買、交換、贈与などによって土地を取得した際に、取得者へ原則1回だけ課される都道府県税です。
登記の有無や有償・無償を問わず、実質的に所有権を取得すれば対象となる場合があります。
また、固定資産税のように毎年課される税金ではありませんが、取得から数か月以上経過して納税通知書が届くことも少なくありません。
そのため、土地購入時は代金や登記費用だけでなく、不動産取得税も初期費用へ含め、通知書に記載された納期限までに支払える資金を確保しておきましょう。
固定資産税・登録免許税との違い
不動産取得税は土地や建物を取得したときに都道府県へ納める地方税で、原則として取得ごとに1回課されます。
固定資産税は毎年1月1日時点の所有者へ市町村が課税し、所有を続ける限り毎年度発生する点が違いです。
一方、登録免許税は所有権移転や保存などの登記を行う際に国へ納める国税となります。
なお、土地購入では3つの税金が別々に発生する可能性があるため、税額の計算基準、課税主体、納付時期を分けて資金計画へ組み込むことが大切です。
課税対象となる土地・非課税となる土地
土地は、売買、交換、贈与など取得原因が有償か無償かを問わず、不動産取得税の対象になるのが原則です。
一方、相続による取得、国や地方公共団体による取得、宗教法人や学校法人などが本来の事業へ直接使用するための取得、公共用道路や墓地など一定の土地は非課税となる場合があります。
なお、単に道路や福祉施設として使う予定があるだけで自動的に非課税になるとは限りません。
取得者、取得原因、利用目的ごとに要件が異なるため、物件所在地を担当する都道府県税事務所へ確認しましょう。
土地の不動産取得税はいくら?
土地の不動産取得税は、売買価格ではなく、原則として固定資産課税台帳の登録価格を基に計算します。
宅地等の課税標準を2分の1とする特例や、住宅用土地の減額によって納税額は変わるのです。
ここでは、評価額別の目安と用途による違いを解説します。
土地の取得価格別に見る税額の相場
税額の基準となるのは実際の購入価格ではなく、原則として固定資産課税台帳に登録された価格です。
2027年3月31日までに取得した宅地・宅地比準土地には、登録価格を2分の1とする課税標準の特例と土地の税率3%が適用されます。
なお、住宅用土地の追加減額を考慮しない場合、登録価格1,000万円なら15万円、2,000万円なら30万円、3,000万円なら45万円が目安です。
土地の種類や取得日で計算が異なるため、評価額と適用される特例を確認して試算してください。
住宅用地と非住宅用地で変わる負担額
住宅用土地が一定の要件を満たす場合は、宅地等の課税標準を2分の1とする特例に加え、税額から所定額を差し引く減額措置を利用できます。
一定の要件を満たし、減額額が当初税額以上となる場合は、税額が0円になることがあります。
一方、駐車場、店舗、事務所など住宅の敷地として要件を満たさない土地は、住宅用土地の追加減額を受けられないのが基本です。
ただし、宅地・宅地比準土地の2分の1特例と土地の3%税率は、利用目的だけで直ちに除外されるものではありません。
土地の不動産取得税の計算方法
土地の不動産取得税は、固定資産課税台帳の登録価格、課税標準の特例、税率、住宅用土地の減額を順に当てはめて計算します。
購入代金へ単純に税率を掛けるものではありません。
ここでは、基本式、評価額の確認方法、現行税率、2分の1特例を解説します。
計算式の基本:固定資産税評価額×税率
基本式は、「不動産の価格である課税標準額×税率」です。
土地の価格には、原則として取得時点の固定資産課税台帳に登録された価格を用い、売買契約書に記載された購入代金をそのまま使用するわけではありません。
また、2027年3月31日までに取得した宅地・宅地比準土地は、登録価格の2分の1を課税標準としたうえで3%を掛けます。
なお、住宅用土地の要件を満たす場合は、ここで算出した当初税額から減額額を差し引き、0円を下回るときは納税額を0円とします。
固定資産税評価額の調べ方
固定資産税評価額は、売主が保有する固定資産税・都市計画税の課税明細書や、市区町村が発行する固定資産評価証明書などで確認できます。
ただし、評価証明書を請求できる方は所有者や代理人などに限られ、購入予定者が自由に取得できるとは限りません。
そのため、売買契約前は仲介会社や売主へ評価額の資料を依頼し、取得後は土地所在地の市区町村へ必要書類と手数料を確認しましょう。
分筆直後など登録価格をそのまま使えない場合は、都道府県が取得時の価格を決定することもあります。
本則税率4%と特例税率3%の適用条件
不動産取得税の標準税率は4%ですが、土地を2008年4月1日から2027年3月31日までに取得した場合は、用途を問わず原則3%の特例税率が適用されます。
ただし、住宅用土地だけを対象とした税率ではない点に注意してください。
なお、特例期間後の取扱いは税制改正で延長または変更される可能性があるため、取得日の属する時点の制度を確認する必要があります。
住宅の敷地で要件を満たす場合は、3%の税率とは別に住宅用土地の減額措置も適用できるケースが想定されます。
宅地評価土地の課税標準1/2特例
2027年3月31日までに宅地または宅地比準土地を取得した場合は、固定資産課税台帳の登録価格の2分の1を課税標準とする特例があります。
この措置は、住宅を建てる土地だけに限定されず、宅地として評価される事業用地なども対象になり得ます。
なお、住宅の床面積や建築期限を満たすことを条件とする制度ではなく、住宅用土地の減額措置とは別の仕組みです。
したがって、土地の地目だけで判断せず、課税上「宅地比準土地」に該当するかを都道府県税事務所へ確認してください。
土地の不動産取得税に使える軽減措置
一定の住宅とその敷地を取得した場合は、土地の当初税額から所定の金額を差し引く軽減措置を利用できます。
新築住宅と既存住宅では取得時期や住宅側の要件が異なり、土地を先に購入した場合は徴収猶予も選択肢です。
ここでは、適用要件と計算方法を解説します。
住宅用土地の軽減措置の適用要件
新築住宅用の土地では、土地取得後3年以内に床面積などの要件を満たす住宅が新築され、土地を取得した方が新築時まで所有するなど、所定の条件を満たすと減額を受けられます。
また、住宅を先に新築し、その敷地を新築後1年以内に取得するケースなども対象になり得ます。
なお、既存住宅用の土地では、耐震性や床面積の要件を満たす自己居住用住宅と、その敷地を原則1年以内に取得することが必要です。
軽減額の計算式と控除される金額
住宅用土地の軽減額は、①4万5,000円、②「特例適用後の土地1平方メートル当たりの価格×住宅床面積の2倍(1戸200平方メートル上限)×住宅の取得持分×3%」のうち、高い方です。
なお、②で使用する床面積は1戸当たり200平方メートルが上限となります。
これは評価額から4万5,000円を差し引く制度ではなく、計算後の土地の税額から減額する仕組みです。
減額額が当初税額を上回る場合、納税額は0円になりますが、差額が現金で給付されるわけではありません。
新築住宅用地と中古住宅用地での違い
新築住宅用土地と既存住宅用土地では、土地から差し引く減額額の計算式は原則同じで、新築だから一律に控除額が大きくなるわけではありません。
両者の主な違いは適用要件です。
新築は、2026年4月1日以後に取得した住宅について原則40平方メートル以上240平方メートル以下であることや、土地取得後3年以内という要件があります。
一方、既存住宅は原則40平方メートル以上に加え、本人居住や建築時期、耐震基準への適合、住宅と土地の取得時期が重要です。
住宅本体の控除額は新築年月日などで異なるため、土地の減額とは分けて考えましょう。
先行して土地を取得した場合の徴収猶予と還付
住宅を建てる前に土地を取得し、将来住宅用土地の減額要件を満たす見込みがある場合は、申告により減額予定額に相当する税金の徴収猶予を受けられることがあります。
また、新築住宅では、所定の期間内に住宅を完成させることなどが条件です。
徴収猶予を利用せず先に納税した場合でも、住宅完成後に要件を満たせば減額・還付を申請できる可能性があります。
そのため、自動的には適用されない点に注意し、建築確認書、工事請負契約書など、都道府県が指定する資料を早めに準備しましょう。
土地の不動産取得税が0円・安くなるケース
土地の不動産取得税は、住宅用土地の減額額が当初税額以上になる場合や、相続など法律上の非課税取得に該当する場合に0円となります。
また、宅地等の課税標準特例で負担を下げることもできるでしょう。
ここでは、軽減による0円、相続、公共用途などの非課税を解説します。
軽減措置により税額がゼロになる条件
住宅用土地の要件を満たし、4万5,000円または土地1平方メートル当たりの価格と住宅床面積から計算した減額額が、当初税額以上となれば、土地の不動産取得税は0円です。
なお、単に土地取得後3年以内に住宅を建てればよいわけではなく、住宅の床面積、取得者と所有者の関係、土地と住宅の取得順序なども確認されます。
さらに、住宅本体の税金が自動的に0円になるとは限りません。
土地と建物は別々に計算し、必要な減額申告書と証明書類を都道府県税事務所へ提出しましょう。
相続で土地を取得した場合の非課税扱い
相続によって土地を取得した場合、不動産取得税は原則として課税されません。
ただし、遺言に基づく取得は内容によって扱いが異なり、包括遺贈や相続人に対する一定の遺贈は非課税となる一方、相続人以外への特定遺贈などは課税対象となる場合があります。
また、死因贈与は一般に贈与として扱われるため、相続と同じ非課税になるとは限りません。
相続税や登録免許税は別の税金であり、不動産取得税が非課税でも発生する可能性があります。
公共用地や特定用途の土地における非課税
国や地方公共団体による取得のほか、公共用道路、保安林、墓地などの用地は、法律上の要件を満たすと非課税になるケースも見られます。
また、宗教法人が本来の宗教活動へ直接使用する土地、学校法人が教育へ直接使用する土地などにも非課税規定があります。
ただし、取得者の法人格や実際の利用目的が要件となり、将来公共施設へ転用する予定があるだけでは認められないこともあるでしょう。
売買契約前に、利用計画と取得主体を示して都道府県税事務所へ相談してください。
まとめ:不動産取得税の土地計算と軽減措置を理解しよう
土地の不動産取得税は、実際の売買価格ではなく、原則として固定資産課税台帳の登録価格を基に計算されます。
2027年3月31日までに取得した宅地・宅地比準土地には、課税標準を2分の1とする特例と3%の税率が適用されるほか、一定の住宅用土地では所定額を税額から差し引けます。
ただし、軽減措置の要件や申告期限、必要書類は、土地と住宅の取得順序、用途、自治体によって異なる点には注意が必要です。
相続や公共用途など非課税となるケースもあるため、契約前に評価額と適用条件を確認し、取得後は都道府県税事務所の案内に沿って手続きを進めましょう。
Luxsis(ラグシス)は、住まい選びから資金計画、住宅購入時の税金まで幅広くサポートします。
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この記事の監修者
株式会社エスケーホームグループ 個人営業部 次長
藤原 立春 フジワラ チハル
- 宅地建物取引士
- 損害保険代理店資格
- 経歴
- 早稲田大学卒業後、2008年に株式会社エスケーホームグループに入社。
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入社以来18年間、不動産の購入と売却の仲介を担当しています。徹底的に調べて安全な取引を提供できるように心がけています。
権利関係、宅建業法、建築基準法、その他条例等の法的な理解はもちろん、住宅ローン、税金、土地価格や建築費の動向など不動産業界のトレンドも日々仕入れるようにしています。
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